コロナ禍で一番困った漫才師? 海原はるか・かなた、吹き飛ばす髪芸に変化

2020/10/13 20:40

薄くなった髪を飛ばす得意芸を見せる(右から)海原はるか、かなた。コロナ禍に配慮し、扇子で代用することもある=大阪市中央区、松竹芸能(撮影・辰巳直之)

 コロナ禍で一番困った漫才師はこの人たちかもしれない。相方の薄い髪を吹き飛ばす一発芸で知られる海原はるか・かなた。飛まつ感染防止のため、お家芸が半年以上、“禁じ手”になった。芸歴50周年を迎え、新しい形を探りつつも、「扇子や小型扇風機でやってみたが、やっぱり吹くスタイルがいい。いつかは戻したい」。ファンもその日を待ち望む。 関連ニュース 松本隆さん SNSで筒美京平さんへの思いつづる 半沢直樹、白井大臣、三笠副頭取、平山美幸…心に残る快演 兵庫ゆかりの俳優たち 森高千里さん「懐かしかった」フォトエッセー表紙のまち 地元ざわざわ

 ともに72歳。熊本市出身のはるかは映画スターに刺激され、奈良県天理市出身のかなたは地元の芝居を見て芸能界に憧れた。2人とも当初は役者志望だった。高校卒業後、大阪にあった芸能学校へ同期入学して出会った。1970年、弟子を探していた海原お浜・小浜に入門し、漫才コンビの道を進んだ。
 注目を浴びたいと、毎月のように新作ネタを仕込んだ。CMの流行語をギャグに使ったり、歌を用いたり。かなたが競馬の解説、はるかが馬役で走り回るネタでは爆笑を得たが、全国区にはいまひとつだった。
 転機はあの髪芸。40歳を過ぎたころ、楽屋で芸人仲間を笑わせようとしたのがきっかけ。舞台で試してみたら、「爆弾のような笑いが起きた」。東京からも仕事が舞い込むようになり、「笑いの神様がいい運気を運んでくれた」と感謝する。
 かなたが2018年1月から腰を痛めて休養し、昨年8月、1年7カ月ぶりにコンビを復活させた。これからという時期にコロナ禍が襲った。それでも50周年を迎え、前を向く。「70歳を超えて元気にテレビ出演する夢が達成できた。記憶力が落ちるまでは漫才を続け、楽しんでいきたい」と笑顔を見せる。
 芸歴50周年記念公演は11月8日午後2時から、DAIHATSU心斎橋角座(大阪市中央区)で。同じく50周年を迎える「酒井くにお・とおる」と共演。2組が2ネタずつ披露する。前売り5千円、当日5500円。チケットぴあTEL0570・02・9999
(金井恒幸) 

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