「東急ハンズ三宮店」30年の歴史に幕 コロナ禍の大みそか、各地の様子

2020/12/31 19:00

閉店1時間前の東急ハンズ三宮店=神戸市中央区下山手通2(撮影・吉田敦史)

 「コロナ」の3文字に染まった2020年の大みそか。神戸市の繁華街は買い物客でにぎわう一方、人混みを避けるため、1日早い「初詣」を済ませる家族連れも。来る年には日常を取り戻すことができるよう、手を合わせた。 関連ニュース 29年ありがとう さようなら西神店 そごう、関西から姿消す 親子3代、創業113年「野球カステラ」の味守り続けた老舗が閉店 「倒産します、すいません」ぼろ泣きでLINE送り続けたアパレル経営者

 31日午後、買い物客が行き交う三宮高架商店街(神戸市中央区)。和菓子店の横沢宏重店長(56)によると、年末の売り上げこそ平年並みだが、春の緊急事態宣言下では3割に落ち込んだという。「仕事を失わなかっただけでも感謝しないとね」
 生田神社(同区)では露店商が設営を進めたが、店数は昨年の6分の1程度で閑散とした雰囲気。妻と三女の3人で参拝した西宮市の会社員松浦正和さん(59)は、受験を控えて家で勉強中の長女と次女の合格を祈った。「来年はコロナが落ち着き、学生生活を楽しめる1年になれば」と願う。
 一方、三宮のランドマークとして親しまれた「東急ハンズ三宮店」が、30年を超える歴史に幕を下ろした。営業を終えた午後6時すぎ、従業員12人とともに店の前に出てきた岡田勝店長が「数え切れないほどのお客さまの声に支えられてきた」と感謝を述べると、取り囲んだ人たちから拍手が起こった。(伊田雄馬)

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