ワクチン、緊急事態効果? コロナ第5波「一気に収束」の謎
2021/10/08 11:00
神戸新聞NEXT
新型コロナウイルス第5波の感染拡大は全国的に収束傾向となり、兵庫県でも9月以降、急減している。ピーク時の感染者数は第4波の約2倍だったが、100人を切るまでの時間は約1カ月間とほぼ同じ。ワクチン接種などの効果があったとみられるが、理由ははっきりしていない。
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第5波は、7月から増加し始め、1週間平均感染者は8月下旬に一時、千人に迫った。9月に入ると減少傾向に転じ、同月中旬から前週比の半減が続いている。10月3日には100人を切り、ピーク時の10分の1になった。
これまで感染者数のピークは波ごとに倍増してきたが、減少して100人を割るまでに要した期間は、第3波が27日、4波が35日、5波は36日だった。ピークが高い分、減少スピードも速くなっていることがわかる。
3月以降の傾向をみると、約2カ月ごとに増加と減少のサイクルを繰り返している。第5波は9月以降、再び減少段階に入って1カ月余りが過ぎた。
県によると、減少の理由は、ワクチン接種の広がりと、緊急事態宣言による効果とみている。ただ、県感染症対策課の西下重樹課長は「ある程度広まるといずれは減るとはいえ、なぜここまで急激なのかわからない」と話す。今後については「ワクチン未接種者の行動も影響するし、新たな変異株が持ち込まれれば、再拡大もありうる。不確定要素に左右される」という。第6波の阻止へ、若い世代の接種や感染対策の継続を呼び掛けている。(井川朋宏)
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