「離れろ!」犯人役が威嚇、電車内で乗客刺し放火した想定 神戸で合同訓練
2021/12/07 12:00
地下鉄車両を使った訓練で、犯人役を取り押さえる警察官=7日午前、神戸市西区、市営地下鉄西神中央駅(撮影・吉田敦史)
東京の京王線であった乗客刺傷事件など、鉄道での事件が相次いでいることを受け、兵庫県警と神戸市交通局、同市消防局は7日、市営地下鉄西神中央駅(同市西区糀台5)のホームで、車両内での傷害、放火事件を想定した合同訓練を行った。3機関の85人が、乗客を車両の外に出して救出する方法などを確認した。
関連ニュース
京王線乗客殺傷事件受け JR西が有事対応訓練
【動画】乗客刺傷、放火未遂などの事件受け JR豊岡駅で不審者対応訓練
鉄道各社、凶悪事件に恐々 列車内警備決め手なく 人員配置コスト面で困難
訓練はホームに地下鉄車両を用意し、走行中の1両目で男が刃物で乗客を刺し、液体をまいて火を付けたという想定で始まった。
男の犯人役は車両に乗り合わせた鉄道警察隊員2人に、「離れろ!」と叫びながら刃物を向けて威嚇。時間を稼ぐ間に、1両目にいた乗客は2両目に移った。ホームに到着した場面では、車両のドアが開かれて乗客が外に出る一方、駆け付けた警察官が車内に飛び込んで犯人役の身柄を確保。消防隊員は負傷した乗客を搬送し、火も消した。
訓練を終えた神戸西署の仁科年正署長は「東京と同じような事件がいつ神戸で発生するか分からない。連携して安全を守りたい」と講評した。(名倉あかり)