阪急岡本駅の「パタパタ」が引退 マニアに人気、懐かしの山陽「須磨浦公園」行きも

2022/02/28 19:00

使用を終えた阪急岡本駅の行き先表示器。「パタパタ」と軽快な音で親しまれた=神戸市東灘区、阪急岡本駅(撮影・中西幸大)

 阪急電鉄は、岡本駅(神戸市東灘区)のホームに設置していた文字プレートが回転する行き先表示器の使用を28日で終了する。レトロな外観で、回転時の音から「パタパタ」の愛称で親しまれた。神戸線では唯一残っていたが、3月1日から液晶に変更する予定。 関連ニュース 偶然を超えた奇跡のレベル 阪急電車大阪梅田駅のワンシーン あれ?阪神線路に阪急車両 史上初、ファン興奮 2014年の珍事 阪急電鉄「今津線」開通100年 「西宮北口-宝塚」短い鉄路、直角の平面交差…沿線とともに発展

 阪急によると、正式名称は「多面式(フラップ式)行先表示器」。羽と呼ばれる板を回転させて、「普通」「特急」などの車種や行き先、発車時刻を知らせる。
 阪急のパタパタは外国製で、羽は圧縮した紙とグラスファイバー素材でできているという。1976年の河原町駅(現京都河原町駅)を皮切りに主要駅に設置した。
 岡本駅には阪神・淡路大震災後の95年6月、全線運転再開に合わせて整備された。下りの羽には、かつて乗り入れていた山陽電気鉄道の「東須磨」「須磨浦公園」行きや「この電車は6両編成」などの懐かしい表示も残る。
 近年は表示器の発光ダイオード(LED)化などが進み、今年2月に京浜急行電鉄が廃止するなど、全国的に希少となっている。阪急でも宝塚線の雲雀丘花屋敷駅(宝塚市)と、京都線の3駅だけとなる。
 岡本駅の最終日には、ファンらがホームを訪れて別れを惜しんだ。残る駅の現役引退時期は未定だが「いつかはなくなる」と広報担当者。「寂しさもありますが、見やすい新設備にも愛着を持ってもらえたら」と話した。(大盛周平)

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