関西在住のウクライナ人ら 大阪・梅田で抗議集会「ロシア軍撤退の声を上げ続ける」

2022/03/05 20:03

ロシアによるウクライナ侵攻に反対する人らが、反戦デモを繰り広げた=大阪市内(アンドリー・マグデチさん提供)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2度目の週末となった5日、大阪・梅田では関西在住のウクライナ人やロシア人、日本人らが抗議集会を開いた。住宅街、民間施設への攻撃が続いており、兵庫県内に住むウクライナ人たちも参加し、故郷に残る家族や友人を思って「戦争をやめて」と声を張り上げた。 関連ニュース 故郷失う苦難もう二度と 来日15年のウクライナ民族楽器奏者 生後すぐチェルノブイリ経験 ウクライナ民話の絵本「てぶくろ」が話題 「子どもに戦争見せたくない」日本で暮らしたウクライナ人女性、徒歩でポーランドへ「あしたも見通せない。どうか、力を」

 大阪に住むウクライナ人らが、会員制交流サイト(SNS)で呼び掛けた。約200人が、ウクライナ国旗や「戦争反対」などのプラカードを掲げて、約2時間練り歩いた。
 神戸市内で英会話講師として働くウクライナ人、アンドリー・マグデチさん(35)も輪に加わった。
 同国西部のリビウで生まれ、クリミア半島の都市セヴァストポリで25年を過ごした。父は3年ほど前、ロシアによるクリミア併合を機に国外のモンテネグロへ移住したが、現在は兄一家が家族とともにセヴァストポリにいるという。
 親戚の多くはウクライナ西部で暮らしており、SNSで連絡を取り合う。
 「ヨーロッパの真ん中でまさに今、何百万もの人々が国を追われ、何千人もの人々が殺されていること、そしてロシア政府がこれを許可したということが、いまだ信じられない」
 マグデチさんは抗議集会の様子や参加者の声を写真・動画に収め、ネットを通じて世界に広める予定だ。
 「日本の人たちもウクライナを支えてくれていると伝えたい。停戦交渉による速やかな解決の望みは薄いが、時間を掛けて話し合えば人道危機を救えるかもしれない。私たちがロシア軍撤退の声を上げ続けなければ」(広畑千春、今泉欣也)
【特集ページ】ウクライナ侵攻

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ