神戸で追悼「東北とともに歩む」 岩手・陸前高田とオンラインで命の尊さ共有 東日本大震災11年

2022/03/11 22:45

「3・11 ともに歩む」の文字の形に並べたろうそくを囲み、黙とうをささげる参加者=11日午後2時46分、神戸市中央区加納町6(撮影・吉田敦史)

 神戸・三宮の東遊園地では11日、阪神・淡路大震災を語り継ぐ団体が、東日本大震災の犠牲者を追悼する行事を開いた。約50人が参加し、「3・11 ともに歩む」の文字の形に並べたキャンドル約800個を囲んだ。被害が甚大だった岩手県陸前高田市とオンラインでつなぎ、被災地に生きる住民同士で命の尊さをかみしめた。 関連ニュース 「わしぇね(忘れない)3・11」 兵庫の支援団体、宮城・閖上地区の被災者と犠牲者追悼 ミニランドセル、気仙沼の高校へ 交流続く豊岡総合高の生徒ら 兵庫から東北へ、ボランティア「まだニーズある」 孤立化防止にシフト 延べ1万5千人派遣

 NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り(HANDS)」が2012年から続けている。
 発生時刻の午後2時46分、参加者はキャンドルの周りで黙とうした。HANDS代表理事の藤本真一さん(37)は「10年の節目を越えた。神戸から寄り添い続けたい」と述べた。
 陸前高田市には東日本大震災から9カ月後、東遊園地の追悼の火を分けて設置したガス灯「3・11希望の灯り」がある。
 同市の武蔵裕子さん(61)は、震災当時の様子を「とんでもない津波が来ると直感した。目を覆う惨劇で、夢なら覚めてほしかった」と振り返り、「守りたい命を守る。生きる。それに尽きますね」と語った。
 ほかにも当時の津波を「何が何だか分からない。地獄のよう」と表現する男性や、「家は失っても家族がいることがありがたい」と話す女性がいた。
 会場には、若者らの語り部グループ「1・17希望の架け橋」のメンバーも集まった。
 女子高校生(18)=神戸市=は小学生時代、東日本大震災後の宮城県気仙沼市を訪れ、同世代の子どもと交流した経験があるといい「海の周りはがれきの山だった。もう一度訪ねてみたい」と思いをはせた。(井川朋宏)

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