兵庫県 奨学金滞納情報など、委託業者のサーバーがウイルス感染

2022/06/09 13:10

兵庫県庁3号館=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県と県教育委員会は9日、高校生向け奨学金や、ひとり親世帯などへの貸付金の回収業務を委託している会社「中央債権回収」(東京)のサーバーが、コンピューターウイルスに感染したと発表した。保管されていた氏名や滞納額などの情報が暗号化され、取り出せない状態となったが、今のところ外部への流出など被害は確認されておらず、一部の業務は別のサーバーで継続しているという。 関連ニュース 兵庫県の就職イベントで学生10人の個人情報漏えい 運営会社が送信先企業誤る 世界で猛威、最強ウイルス「エモテット」か 「兵庫県警サイバー犯罪対策課」名で行政機関にメール 17病院に身代金ウイルス 22年被害6件、過去最悪

 県などによると、感染が判明したのは5日で、身代金要求型のウイルス「ランサムウエア」によってサーバー内のファイルが暗号化されていた。
 感染したサーバーで管理していたのは、奨学金は「高等学校奨学資金」など3種類で、回収困難な約2800件分の氏名、生年月日、住所、電話番号、滞納額、交渉記録などが含まれていた。貸付金は「母子父子寡婦福祉資金貸付金」で、借受人や連帯保証人ら計約300人分の名前、住所、貸付金の金額などがあった。
 県には6日に連絡があった。現時点で被害は確認されていないが、情報流出の可能性もあるため詳細な調査とセキュリティー強化を指示しているという。(田中陽一、古根川淳也)

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