「尼崎が新しいステージへ」退任意向の稲村市長 USB紛失問題「最後の1日まで対応」
2022/07/07 12:17
任期満了での退任を正式表明する稲村和美・尼崎市長=7日午前、尼崎市役所(撮影・久保田麻依子)
11月の兵庫県尼崎市長選に立候補せずに3期で退任する意向を固めていた稲村和美市長(49)が7日午前、市役所で緊急会見を開いて正式表明した。退任理由について「元々、3期12年が区切りだと考えていた。尼崎市が新しいステージに進んでいくタイミングだと思った」と語った。
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稲村市長は会見で、現在第三者委員会で調査が進んでいるUSBメモリー紛失問題は「進退の判断とは関係ない」と説明した。その上で「残り半年の任期中に一定の取り組みを終了することが理想。最後の1日までしっかり対応していきたい」と強調した。
白井文前市長から引き継いだ財政再建が「一番大きな使命だった」と振り返り、成果として、収支均衡予算の達成や、市債残高削減などを挙げた。中学校給食実施や子どもの医療費助成、駅前ブランド化などの取り組みにも触れ、「手応えが出てきたところで信頼の置ける人にバトンを渡したいと思った」と話した。周囲からは続投を望む声もあったと明かしつつ、「迷いはなかった」とした。
市長選の後継候補として有力視される同市の前教育長で文部科学省教育DX推進室室長補佐の松本真氏(42)について、稲村市長は21年3月の教育長退任時に最初に打診したとした。立候補については「まだ現職であり、退職後、今月中にも会見で明らかにすると思う」とした。
市長選は11月13日に告示、20日に投開票される。現時点で立候補表明者はいない。(広畑千春)