障害のある学生、復学支援へ自立訓練所 自分の心理分析し「私のトリセツ」作成 神戸
2022/08/05 05:30
復学を支援するアソシアホイスコーレ神戸のスタッフら=神戸市灘区山田町2
精神障害や発達障害などのため大学を休学している学生らを対象に、復学を支援する自立訓練事業所「アソシアホイスコーレ神戸」(神戸市灘区山田町2)がオープンした。障害を抱えながら大学に進学するケースは増えているが、人間関係などに適応できず退学する学生も多い。障害のある学生に特化した支援は全国的にも珍しいという。5日には開所式があり、自由に見学できる。
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沖縄、兵庫で福祉事業を展開する会社「アソシア」(沖縄県北谷町)が設立。障害者総合支援法の自立訓練サービスとして公費で運営するため、学生は基本的に無料で利用できる。
同社が神戸市内の複数の大学に聞き取りをしたところ、ほぼ1~2%の割合で障害のある学生がいるという。同市内には大学生が約7万人おり、一定の需要を見込んでサービスを始めた。
対象は神戸、芦屋、西宮市内の大学に通う学生。各自のペースで平日は事業所に通い、精神保健福祉士などの資格を持つスタッフらと共に、自分の心理を分析する。強みや弱みを知った上で、1年かけて自分自身の「取扱説明書」を作成。どのような場面で他人の手伝いが必要か、何が得意で何が苦手か-などを明確にし、復学・就職後に自分を生かせる方法を見つける。
統括責任者の伊井統章さん(42)は「どこに向かいたいのか、話をしながら一緒に解決していきたい。一人で抱え込まず、この場所の活用を」と呼びかける。
障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書があれば利用可能。通学中の学生も相談できる。5日の見学は午前10時~正午。同事業所TEL078・803・8977
(古根川淳也)