全国高校野球、夏初勝利に「いつも通りのプレーしてくれた」 社ナインたたえたOBたち

2022/08/09 21:41

初戦突破した社ナインに盛大な拍手を送るアルプススタンドの応援団=9日午後、西宮市の甲子園球場(撮影・秋山亮太)

 創部74年目で初めて夏の甲子園に校歌が響いた。9日、全国高校野球選手権大会1回戦に挑み、初陣を飾った社高校(兵庫県加東市)。新型コロナウイルスの影響でメンバー10人を入れ替えた県立岐阜商業高校(岐阜)を相手に、アルプススタンドのOBたちは「全力を尽くすことが礼儀。いつも通りのプレーをしてくれた」とナインをたたえた。 関連ニュース 夏の甲子園で再び「社旋風」を 「あの大声援」思い起こす伝説の左腕 18年前と重なった緊迫感と展開 社高校甲子園へ、夏の兵庫県大会初V 延長十四回、社の福谷が両脚つる…好敵手が激励「お前は社の顔、最後まで戦えよ」


 アルプス席には地元加東市からバス40台で乗り込んだ大応援団が陣取った。
 そろいのタオルでエールを送り、初の夏の甲子園に臨むナインを後押し。試合は立ち上がりから猛攻を展開し、スタンドは拍手が鳴りやまなかった。
 OBで野球部保護者会長の吉田和則さん(52)は「母校が甲子園の土の上に立つ姿を見て校歌を聴けた。感無量です」と声を弾ませた。長男の吉田凌投手(現オリックス)は東海大相模高校時代に全国制覇を達成し、今夏は四男の和哉選手(3年)が甲子園に出場。「母校の新たな歴史の一ページを作ってくれた」と喜んだ。
 昨夏のチームでエースだった足立幸さん(18)は「一緒に練習していた後輩の活躍を見ていると、こちらも胸が熱くなる」と感激した様子だった。
 県岐阜商はコロナの感染が広がり、主力選手がチームを離脱。2年生投手が先発し、1年生が捕手を務める苦境だった。かつてプロ野球阪神、阪急でプレーした社高校OBの宮田典計さん(67)は「負けた学校の思いを背負うのが代表校の役目。OBとして甲子園に連れてきてくれた選手に感謝しつつ、次の試合も見届けたい」と、さらなる躍進に期待した。(岩崎昂志)
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