コロナ感染者の全数把握簡略化 対象外の陽性者支援へ、県がセンター開設
2022/09/26 19:30
オンラインでの登録申請を受け、内容を確認する「陽性者登録支援センター」の担当者ら=26日午前、神戸市中央区東川崎町1(撮影・三津山朋彦)
新型コロナウイルス感染者の発生届が必要な対象を高齢者らに限定する全数把握の簡略化が26日、兵庫県内でも始まり、県は発生届の対象外となる感染者を支援する「陽性者登録支援センター」を神戸市内に開設した。政令・中核市以外に住む県民が対象で、初日は午後5時時点で243人が登録された。
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発生届が必要なのは、①65歳以上②入院が必要③重症化リスクがあり治療薬の投与などが必要④妊婦-に限定。それ以外の感染者は年代別人数だけが報告されるため、症状が悪化した際などに備え、県や政令・中核市は支援体制を整えた。
県感染症対策課によると、県管轄と政令・中核市のいずれでも、発生届の対象外の人が医療機関で陽性と診断された際には、登録を促す文書が配布される。その案内に従い、居住地の登録センターや保健所などに申請する。
県の陽性者登録支援センターは、登録した感染者の個人情報を保健所などと共有し、症状悪化での入院にもすぐに対応。重症化リスクの高い人が家にいる場合などは宿泊療養施設への入所を調整し、パルスオキシメーターの貸し出し調整も担う。
この日は医療機関で陽性と診断された人が登録手続きを開始。医療機関からの文書や免許証の画像などを基に担当者が登録内容を確認した。斎藤元彦知事は「重症化リスクの高い方々に重点を置いた医療体制に移行し、ウィズコロナに向けた新しい一歩を踏み出した。センターは発生届の対象外の方々を支援する拠点。保健所などとしっかり情報共有を図り、体調が悪化した場合にはスムーズに対応したい」と話した。
全数把握の簡略化によって感染者の居住地が把握できなくなるため、これまで発表されてきた県管轄の市町別感染者数は27日から出なくなる。(高田康夫、金 旻革)
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