太子町長の不信任決議案、賛成多数で可決 町議会解散か失職か、選択へ
2022/09/26 17:32
議場に入る服部千秋・太子町長=26日午前、兵庫県太子町(撮影・大山伸一郎)
兵庫県太子町議会は26日、服部千秋町長(62)に対する不信任決議案を賛成9、反対3で可決した。服部氏は地方自治法の規定で10日以内に議会の解散か自身の失職かのどちらかを選択することになる。前教育長が8月にセクハラ疑惑で辞職後、真相解明を巡る服部氏の姿勢に議会が反発を強めていた。
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不信任決議案は同日の町議会本会議に町議14人中8人が連名で提出。採決では出席議員の4分の3以上が賛成し、可決の条件を満たした。決議案の可決後、服部氏は「町の行政に多大な損失を与えるとされたことは残念。限られた時間だが熟考した上で判断する」と述べた。
服部氏は同町議を経て2016年に無所属で町長選に初当選し、現在2期目。21年に副町長の人事案が否決されるなど町議会と衝突を繰り返してきた。21年には一部町議が辞職勧告決議案を提出し、否決されている。
前教育長のセクハラ疑惑は7月に発覚。女性教育委員を酒席に誘い、手を握ったなどとされたが、服部氏は積極的な調査をせず、議会は町長の任命責任を問うなど反発していた。町議会は8月、この教育委員の後任人事案を不同意とし、26日に追加提案された後任教育長の人事案も認めなかった。
兵庫県内での首長の不信任可決は、13年の上郡町以来9年ぶり。同町では町長が議会を解散したが自身も辞職し、町長選に立候補しなかった。(直江 純)