最高裁「裁判記録は国民のもの」 相次ぐ少年事件記録の廃棄受け国会で答弁

2022/11/02 21:33

最高裁判所=東京都千代田区

 複数の重大少年事件で事件記録が廃棄されていた問題を巡り、最高裁の小野寺真也総務局長が2日の衆院法務委員会で「裁判所が保有する記録は国民のもの」と発言し、裁判記録は後世に伝えていく国民の財産とみなす考えを示した。 関連ニュース 最高裁、少年事件に限らず全事件記録の廃棄一時停止 全裁判所に指示「永久保存の運用調査必要」 最高裁、事件記録の廃棄指示書など保管を指示 全国での記録廃棄受け全ての裁判所に 事件から25年。驚愕の事実 少年A全記録廃棄 遺族の土師さん、淡い希望消え「いいかげんにしてほしい」

 最高裁は、保存期間の満了した全ての事件記録の廃棄を一時停止するよう全国の裁判所に指示。今後、事実上の永久保存となる「特別保存」の運用が適切だったかどうかを有識者委員会で検証する。
 法務委の審議で「事件記録は誰のものか」とただされ、最高裁の小野寺総務局長は「事件記録は当事者から提出されて、裁判所に保管される」と説明。「質問に答えていない」と追及されると、最後に「裁判所が保有する記録は国のもので、国民のものと理解している」と述べた。
 小野寺氏はまた、特別保存を決めた事件記録が実際に残っているか、最高裁が全国の裁判所の保存状況も調査していると説明した。
 寺田学議員(立憲民主党、比例東北)の質問に答えた。寺田氏は裁判官や司法の独立を踏まえた上で、「国民のものという記録の管理ができないのであれば、議員立法をしてでも守る仕組みが必要だ」と主張した。(末永陽子)

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