「万感の思い」最終10区、兵庫出身の4年生3人が力走 箱根駅伝
2022/01/03 19:35
初の箱根駅伝を走りきり、ガッツポーズでフィニッシュする駿河台大・阪本大貴(撮影・伊藤笙子)
第98回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)は3日、神奈川県箱根町-東京・大手町の復路5区間109・6キロが行われ、往路に続いて復路も制した青学大が10時間43分42秒の大会新記録で2年ぶり6度目の総合優勝を飾った。ランナーや指導者たちの悲喜こもごもが色濃くにじむ最終10区には、兵庫県出身の4年生3人が出走。万感の思いで23・0キロを駆けた。
関連ニュース
兵庫発オリンピアンたちのたすきリレー 「王国」の伝統脈々、世代つなぐ加古川河川敷の駅伝大会
所在不明になったニューイヤー駅伝の優勝旗 過去には旗焼失で「おわび行脚」の名将も
「この舞台で勝ち切る。すごいなこの子ら」兵庫の稲美初V、終始トップ譲らず 全国中学駅伝・女子
右手を高々と掲げ、会心の笑みを浮かべてフィニッシュしたのは、初出場を果たした駿河台大の阪本大貴主将だった。加古川市立浜の宮中から西脇工高を経て強化途上の新鋭校に進み、最終学年で巡ってきた最初で最後の箱根路。総合19位だったが、区間7位で往路最下位から順位を一つ上げ、その表情は満足感でいっぱい。最後までたすきをつなぐ大役を全うし、歴史の第一歩を刻んだ。
3位から6位に後退したものの、中大の井上大輝主将は力を振り絞ってフィニッシュラインに飛び込んできた。高砂市立宝殿中時代からトラック、ロードで活躍し、須磨学園高時代はエース。大学進学後も往路3区で区間7位だった三浦拓朗(西脇工高出)らとチームを引っ張ってきた。OBで西脇工高出身の藤原正和駅伝監督が率いる名門も、シード権(10位以内)獲得は10年ぶり。復活への足がかりを築いた。
予選会トップ通過の明大は総合14位と波に乗りきれなかった。往路17位と出遅れ、シード権が遠のく中、復路は3位と意地は見せた。橋本大輝は須磨学園高時代、駅伝などで活躍することはできなかったが、神戸市立桃山台中3年時は兵庫勢で唯一、全国中学校体育大会3000メートルで決勝進出を果たすなど、もともと潜在能力は高かった。大学4年間で成長を遂げ、初出場のアンカーで区間4位の力走を見せた。
(大原篤也)
兵庫勢の区間成績は次の通り。
▽2区
(10)藤本珠輝(日体大)1時間7分21秒
▽3区
(7)三浦拓朗(中大)1時間2分38秒
▽6区
(16)北野開平(帝京大)59分59秒
▽10区
(4)橋本大輝(明大)1時間9分11秒
(7)阪本大貴(駿河台大)1時間10分11秒
(17)井上大輝(中大)1時間11分9秒