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女子・稲美で1区区間賞を獲得した吉川菜緒(右)からたすきを受け取り走り出す2区長野亜美=撮影・秋山亮太
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女子・稲美で1区区間賞を獲得した吉川菜緒(右)からたすきを受け取り走り出す2区長野亜美=撮影・秋山亮太
初優勝を決め、笑みを浮かべる女子・稲美の(左から)1区吉川菜緒、2区長野亜美、3区吉川陽菜、4区湊友希、アンカー藤田直子=撮影・秋山亮太
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初優勝を決め、笑みを浮かべる女子・稲美の(左から)1区吉川菜緒、2区長野亜美、3区吉川陽菜、4区湊友希、アンカー藤田直子=撮影・秋山亮太

 黄色いベンチコート姿の選手たちが、アンカー藤田主将に駆け寄る。泣き笑いの教え子を見やり、女子・稲美の石井監督はうなった。「この舞台で勝ち切ることのすごさ。すごいな、この子ら」

 ただの優勝ではない。号砲からフィニッシュまでの43分間、全5選手が誰の背中も見なかった。

 トラック3000メートルで9分48秒76と出場選手随一の記録を持つ吉川菜が、エース区間の1区で勝負に出た。寒風も、雪による芝生コースのぬかるみも関係ない。「最初から前に出て、後ろを引き離す」。2位の選手を終盤に振り払い、ライバル桂(京都)は40秒近く遠ざけた。

 2区長野亜は大会前に体調を崩し、3日間寝込んだが力を振り絞った。「1番でたすきを受けたからには1番でつなぐ」

 後続に迫られても「全員でカバーするのが駅伝」と藤田主将。中盤区間の吉川陽は滑らかな足さばきで、湊は力強く地を踏み、共に区間3位以内。独走に持ち込んだ。

 田畑が広がる人口3万人の兵庫県稲美町。12年前に全国制覇した稲美北も同じ町内だ。この日走った全5選手がいなみ野アスレチック出身であるように、小学生から地元クラブで競技に親しむ土壌がある。コロナ禍で部活ができない間もタブレットで頻繁に連絡を取り合い、ジョグを怠らなかった。

 5選手中、吉川姉妹と湊の3人はまだ2年生だ。「来年もこの舞台に帰ってきたい」と湊。気は早いが、来年には兵庫女子初の2連覇が懸かっている。(藤村有希子)

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