豊岡演劇祭、ベルギーの劇団も上演 暗闇の演出、演者と会場一体に
2022/09/21 05:30
カミーユ・パンザ/エルザッツ「思い出せない夢のいくつか」(C)Dominique Houcmant
国際的な演劇祭を目指す豊岡演劇祭で、今年は公式プログラムの一部に、海外の劇団が参加した。新型コロナウイルス禍で国外から演者や来場者を呼び込みにくい中、ベルギーの劇団「カンパニー・エルザッツ」が「思い出せない夢のいくつか」の上演を果たした。
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約30年前に劇作家の平田オリザさんが書き下ろしてフランス語に翻訳された脚本。2017年に城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市城崎町湯島)で滞在制作した同劇団のカミーユ・パンザさんが、東京とベルギー、フランスで上演を重ねてきた作品だ。
夜汽車で旅をする往年の人気歌手と若い付き人、マネジャーの3人の会話劇。時折、ゴトゴトと汽車の音が聞こえる暗闇で、ほのかに照らされた役者が静かに語っている。
フランス語で演じられ、日本語字幕が示された。平田さん主宰の劇団青年団による同作を見たことがあるという女性は「海外の人が演じているけど、登場人物が日本人名だったり、3人の関係がじわっと分かってくる日本人らしい感じで不思議な感覚になった」と話していた。
何重もの光線が客席まで届く演出が目を引く。観劇後に感想を述べ合う場が設けられる回もあり、「照明のおかげで(登場人物と)同じ空間にいる感じがした」などの感想が出ていた。(石川 翠)
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