但馬

  • 印刷
位置と体の向きを判定して、その場に適したガイド音声が楽しめる=豊岡市城崎町湯島
拡大
位置と体の向きを判定して、その場に適したガイド音声が楽しめる=豊岡市城崎町湯島
全但バス車内では豊岡の風土や地形を紹介する
拡大
全但バス車内では豊岡の風土や地形を紹介する

 開会中の「豊岡演劇祭2022」に合わせて、豊岡市では観光振興に向けた二つの連携事業が行われている。高精度の位置情報を活用した音声ガイドの実証実験が城崎温泉街であり、演劇祭の会場へ向かうバスでは豊岡の風土や地形を音声で案内する。いずれも同市の芸術文化観光専門職大学が参画。演劇祭を訪れた人を地元の観光地に誘導して地域の活性化につなげる。(丸山桃奈)

 城崎温泉街での実証は、2021年に連携協定を結んだ同大と通信会社のKDDIが、17~19日の3連休に取り組んでいる。

 「前方に足湯は見えるでしょうか」「右手に橋が見えますか」。利用者の現在地に合わせて音声が自動的に流れる。

 ガイドは「文学のまち・城崎温泉」をテーマに、一帯の歴史や隠れた魅力を紹介する内容。ストーリー仕立てで演劇の要素も取り入れた。同社の通信衛星と受信装置で利用者の位置と体の向きを把握しながら、その場にふさわしいガイドがスマートフォンの専用アプリを通じて自動的に流れる仕組み。同社が技術を提供し、学生らが実習授業の一環で音声の内容や声優などを担当した。

 実証は、温浴施設「御所の湯」から城崎文芸館にまでの約400メートル(約20分)のコース。チェックアウト後も温泉街を周遊してもらおうと、3日間とも午前10時~正午に行う。

 同大2年生の粒耒楓彩さん(19)は「(音声で)情報を提供し、参加者が自身の目で城崎の良さを発見できる。宝石の原石を掘り進めていくつるはしのようなサービスになってほしい」と話した。

 同社などは今回の実証を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策で需要が高まる非対面・非接触の観光ガイドや、障害の有無や国籍に関係なく誰もが楽しめる「ユニバーサルツーリズム」での活用の可能性を探る。

 一方、JR豊岡駅と、演劇祭の会場である玄武洞公園(同市)を結ぶ路線バスでも音声ガイドの取り組みが23日から始まる。山陰海岸ジオパーク推進協議会と全但バス(養父市)が主導し、同大の教員と学生がガイドの製作や声優で携わった。

 車内に貼られたポストカードのQRコードを読み込むと、玄武洞の磁場逆転をテーマにしたガイドが約10分間流れる。こちらも物語風にしており、車内のガイドと玄武洞にいるガイドがやりとりする設定で、移動中のバスで実際に磁場逆転が起きてしまうとの内容だ。

 このほか、老若のコウノトリ2羽が登場し、鳥の目で地形や風土に関する会話劇仕立ての音声ガイドも製作。ユーチューブで事前に公開している。

 25日の閉幕後も、豊岡の魅力周知とバスの利用促進を図るため、10月末まで豊岡駅-同公園と城崎温泉駅-同公園の直通バスで視聴できる。同大の河村竜也助教は「現地で実際のガイドを聞き、調べたくなる内容になっている」と話している。

【特集ページ】豊岡演劇祭

但馬豊岡演劇祭22豊岡演劇祭
但馬の最新
もっと見る
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • 25℃
  • 10%

  • 34℃
  • 22℃
  • 10%

  • 35℃
  • 25℃
  • 10%

  • 36℃
  • 23℃
  • 10%

お知らせ