中学生事故死の交差点、待望の信号機 地元住民の要望実る

2022/01/27 05:30

運用が始まった丹波市道交差点の信号機=26日午後、丹波市氷上町常楽

 兵庫県丹波市内の中学3年の女子生徒が昨年8月、大型トラックにはねられ死亡した同市氷上町常楽の市道交差点に信号機が設置され、26日から運用が始まった。交差点は道路拡張に伴い交通量が増え、事故前から地元住民らが設置を求めていた。署名活動を続けた北小学校PTAの足立克敏会長(45)は「失われた命は戻らないが、皆さんの協力のおかげ」と話している。(真鍋 愛) 関連ニュース 【写真】信号機が設置される前の交差点 登下校の見守り誰が担う?「負担が大きい」「やる人おらん」 学校側「地域の善意だけでは限界に」 信号機ない横断歩道の「停止率」県内ワーストは


 事故は2021年8月30日朝に発生。自転車で登校中だった女子生徒が、左折してきた運送会社のトラックに巻き込まれた。
 事故現場の交差点は、北側の道路が2020年に歩道付き片側一車線に拡張された。近隣の小中学校の通学路だったことに加え、北西角には認定こども園があり、地元住民が交通量増加に伴う交通事故を懸念。認定こども園を運営する社会福祉法人と地元自治振興会が、設置を求める要望書を県公安委員会に提出していた。
 死亡事故を受け、市も丹波署を通じて要望書を提出し、早期設置を働き掛けた。以前から設置を検討してきた県公安委は、地元自治会の要望や現場の交通量に配慮、昨年10月、21年度中の運用開始を決めた。現場周辺の小中学校の保護者らも署名5408筆を集め、早期設置とともに、市に交通指導員の配置を求めていた。
 運用が始まった信号機は、登校時間帯の午前7~8時半に歩車分離式になる。交差点北側と東側の横断歩道は維持される。交通指導員の配置について、市生活環境部は「地域ごとに定員があるので常駐は難しいが、交通安全週間などでの配置も含め、検討していきたい」としている。
 足立会長は「思ったより早く運用が始まってよかった。通学路で交差点を通る子どもたちの安全性が高まればうれしい」と話した。

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