通学途中の子どもの安全を守る「見守りボランティア」の高齢化が進み、活動継続が兵庫県内で課題になっている。「とはいえ保護者でカバーするのは負担が大きい。PTAも縮小され子どもの安全に対応しきれないジレンマに陥っています」。神戸市内の母親は、神戸新聞社の双方向型報道「スクープラボ」にそんな投稿を寄せた。子どもが巻き込まれる事故や事件が起きるたび、見守りニーズは高まるが、誰が、どう子どもを守っていけるのか。現場を取材した。(広畑千春)
■ボランティア平均年齢80歳以上
神戸市垂水区の市立高丸小学校区。藤田和彦さん(80)は毎朝、横断歩道を渡る児童に声を掛ける。定年退職後「地域の役に立ちたい」と始めて15年余り。当時15人以上いたボランティアには鬼籍に入った人もいる。活動の中心だった老人会もなくなった。今、平均年齢は80歳以上。毎日立てる人は半分ほどに減った。
夏は気温30度近い朝が増え、冬は北風が吹く。「点滅信号で渡る子どももおるから」。義務感に加えて子どもたちの成長も楽しみだが、正直、体にこたえる。メンバーの藤本良治さん(86)は「やめる人はいても、新しくやる人はおらん。あと2、3年が限度かな」と自嘲気味に笑う。
■共働きの保護者増え
登下校時の見守りは、1997年の須磨連続児童殺傷事件や2001年の大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件を機に広がった。
しかし、定年退職後も働き続ける人が増えたため、活動できる人は減少。以前から活動してきた高齢者はさらに高齢化し、老人クラブなどの会員数はここ20年で全国的にほぼ半減した。
一方で、PTAが見守りを担う学校では、共働き家庭の増加もあり負担は増している。ある母親は「幼い子どもを一時保育に預けてまで協力してくれる人もいれば、いつも来ない人も。常に不公平感がくすぶっている」と明かす。
負担軽減のため警備員を雇う議論もあるが、同市内の別の小学校のPTA会長の男性(45)は「年に数百万円の支出になる。PTA改革で非加入世帯が増えればさらに会費の値上げが必要だが、許容されるのか」と疑問を投げ掛ける。
■保護者自身が「自分事として」
学校保健安全法では、学校が児童生徒の安全を確保する責任は校内に限られている。日常的な登下校中の見守りは、保護者が責任を負う。
現役校長の立場からPTA改革に取り組む神戸市立桃山台中学校の福本靖校長は「これまでは地域の善意に助けられてきたが、もうそれだけでは立ちゆかない」と強調。保護者間で有志を募ったところ、これまで消極的だった父親が参加するようになった学校もあるといい、「中身をどう変えるかが改革の本丸。本当に見守りが必要なのか、必要ならば誰が担うのか。決まり事だから、ではなく、保護者自身が自分事としてゼロベースで考えなければならない」と指摘する。
◇
神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。
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