ネコ型ロボ、食事と笑顔を運ぶにゃん 飲食店で配膳サービス人気、愛嬌振りまく「働きもん」

2022/02/15 05:30

軽快な音楽を流しながら、配膳業務を担うネコ型ロボット「もぶにゃん」。田中さん夫妻は働きぶりに太鼓判を押す=うりの郷

 日本で最も親しみのあるロボットと言えば「ドラえもん」。2112年9月3日生まれのドラえもんはフィクションだが、90年後の未来に少し期待してしまうネコ型ロボットが、兵庫県丹波市内の飲食店に登場した。新型コロナウイルスの感染拡大で非接触サービスが好まれる中、愛嬌(あいきょう)を振りまきながら配膳作業にいそしんでいる。(谷口夏乃) 関連ニュース 【動画】客の座席まで料理を届ける配膳ロボット=「焼肉の和民」 田園に突如、武藤敬司さん出現 闘魂レスラーが焼き肉店をプロデュース 店内にベルト、マント… 職場でもレストラン気分 冷凍で手軽な配達サービス


 カラオケ、カレー、焼き肉の3店舗が入る複合型施設「うりの郷」(丹波市柏原町南多田)。丹波篠山市でカラオケ店などを手がける田中英輝さん(55)恵理さん(47)夫妻が「1日滞在して遊べる場所」をコンセプトに、昨年11月にオープンした。
 ネコ型ロボットは、施設内の焼き肉店「みんなの焼肉屋さん もぶたん」で活躍中。名前は「もぶにゃん」で、語尾に「にゃん」などがつくネコ語を話しながら、笑顔で配膳業務を担う。スタッフが配膳先を指定すると、軽快な音楽を流しながら動き出す。テーブルに到着すると「注文の料理を持ってきましたにゃ」と、ランプを点灯させて、該当のトレーを示す。
 高さ約130センチ、幅約56センチとスリムな体形ながら、4段あるトレーで最大40キロを一度に運ぶ。センサーで物体や人を素早く感知する賢さも併せ持つ。恵理さんは「忙しくても何も文句を言わずに働く、一番の働きもんです」と顔をほころばせる。「(ロボットは)愛想がないと言われがちだけど、とても表情豊かで、特にお子さんから大人気」だとか。
 「コロナ禍でも、地域にとって明るい場所にしたかった」と田中さん夫妻。「非接触でお客さんにも安心を提供できる。家族団らんや学生たちの遊ぶ場として利用してほしい」と話している。
 「もぶにゃん」の配膳以外にも、全個室制の同店は、各部屋に備え付けの小窓があり、オーダーした料理を受け取ったり、食べ終わった皿を下げたりもできる。
 無休。午後5時~同10時。うりの郷TEL0795・72・5005

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