稲美っ子が快挙 完璧なレース「町の誇り」 全国中学駅伝女子初優勝

2021/12/20 05:30

仲間と抱き合って喜びを表現するアンカーの藤田直子主将(左から2人目)=滋賀県野洲市

 稲美っ子が、全国の舞台で頂点に立った。19日に滋賀県の希望が丘文化公園で開かれた第29回全国中学校駅伝の女子で、兵庫代表の稲美中学校(稲美町岡)が8年ぶりの出場で初優勝を果たした。1区から首位を譲らない完璧なレース展開で、応援に駆け付けた保護者らも「町の誇り」と喜びを表現した。23年ぶりに出場した男子の宝殿中学校(高砂市米田町米田)は17位に入る力走を見せた。 関連ニュース 「人口3万の町」再び快挙 町で2つだけの中学、駅伝でともに全国制覇 全国中学駅伝で優勝 女子稲美の選手談話「最後まで力出し切れた」 【写真】両手を突き上げ、笑顔でフィニッシュする女子稲美のアンカー藤田直子選手


 午前11時、女子(5区間12キロ)の号砲が鳴った。沿道では稲美中の教員や保護者ら約20人が声援を送った。スタート直後の1区で2年の吉川菜緒選手(14)が飛び出し、福島代表の選手との首位争いの末、1位でたすきを渡した。双子の妹で3区を走った陽菜選手(14)も区間3位の力走で首位をキープした。2人の父隆さん(47)は「信じられない。もう100点満点。よくやったと声を掛けたい」。
 控えメンバーだった1年の長野紗弥選手(12)の姉は、2区を走った3年の亜美選手(15)。力走を近くで見届け、紗弥選手は「必死に1位でたすきをつないですごい」。自身は惜しくも出走者から漏れたが、「また全国に戻って、先輩たちの後を追えるような走りがしたい」と力を込めた。
 新型コロナウイルス禍で昨年は、県大会や全国大会が開かれなかった。今年もコロナ禍の不安は拭い切れない中で、2年ぶりの全国大会開催となった。選手は「感謝を形に」を合言葉に、日頃から支えてくれる人に感謝を走りで示そうとレースに臨んだ。
 アンカーを務めた3年の藤田直子主将(15)の母かおりさん(49)は「去年の先輩の分もと強く感じていたと思う」と話す。その上で「今日は中学校生活ラストラン。本人も自分が納得できる走りをしたいと言っていた。レース後の安心した表情が印象的」と目を細めた。(千葉翔大)

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