ごみ焼却後のダイオキシン類が基準値超え 東播2市2町の広域ごみ処理施設

2022/02/11 05:30

ばいじん処理物のダイオキシン類含有量が基準値を超えていたエコクリーンピアはりま=高砂市梅井6

 兵庫県の東播2市2町が高砂市梅井6で建設した広域ごみ処理施設「エコクリーンピアはりま」で、試運転中の可燃ごみ処理施設で発生するばいじん処理物のダイオキシン類含有量が基準値を超え、現状では最終処分場に受け入れてもらえない状況になっていることが10日、各市町長の連絡会議で報告された。この対策で当初予定より試運転が長くなるため、3月26日に予定されていた完成式典は4月中に延期された。(笠原次郎) 関連ニュース 燃やすごみ指定袋が「兵庫一高い」まち 市長の目玉公約で半額化案提出 西脇・多可の新ごみ処理施設 稼働26年春に延期 設備の再検討が必要に 廃棄物処理施設で1千万円見つかる「ごみの仕分けしていたら出てきた」所有権は…


 エコ-を運営する神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)によると、問題となっているのはばいじん処理物で、ごみの焼却後に飛散する軽い「飛灰」。大阪湾での埋め立てかセメント原料化によって処理するが、飛灰1グラム中3ナノグラム(ナノは10億分の1)という基準値を上回っている。
 連絡会議では、燃焼室のガスが十分にかき混ぜられていないことなどで基準値を超えていると報告された。昨年11月8日以降、最高で飛灰1グラム中13ナノグラムを記録したが、燃焼室への空気の吹き込み量や向きを調節することによって基準値に近づいてきているという。煙突からの排ガスについては、ダイオキシン類の基準値を下回っている。
 市町長からは対策が遅れた場合の対応などを問う声が上がり、同社側は「ごみの受け入れは継続する」と表明。施設完成が年度をまたいだ場合は、2市2町が事業費を補正予算に盛り込む必要性が指摘された。
 連絡会議では、水蒸気でタービンを回す発電機について、一部部品の製造工程での熱処理時間が実際は4時間だったにもかかわらず、8時間と報告されていたことも判明。高砂市は同社に製品の安全性の証明を求めているが、強度や成分などの基準は日本工業規格(JIS)を満たしているという。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ