デブ猫

29日、新作スタート 作者・早見和真さんインタビュー マルの勇気、みんなに届けたい

2023/04/22 12:00

 ニャーン! マルだよ。兵庫五国ひょうごごこくをめぐるオレたちのあたらしい冒険物語ぼうけんものがたり「かなしきデブねこちゃん マルの真夏まなつのプレゼント」が、いよいよ来週らいしゅう29にちからスタートします。最初さいしょたびさくら季節きせつわったから、つづきはやっぱりなつのおはなしになるのかな。だれに、どんなプレゼントをあげるんだろう。作者さくしゃ早見和真はやみかずまささんにいてみたよ。


「かのうかりんさんの描いてくれたケンタ(右のイラスト)は僕のイメージにぴったり」と話す早見和真さん=神戸新聞社(撮影・鈴木雅之)



 -オレ、1作目さくめ最後さいごに「もっとひろ世界せかいたい」とって旅立たびだったはずなんだけど…?


 「兵庫県内ひょうごけんないにある41市町しちょうのうち、1作目さくめでは14市町しちょうまわったよね。だからつぎたびでは、できるだけまだっていない土地とちをたどりたいとおもってる。2作目さくめ西宮市にしのみやしからはじまるんだけど、ぼくなか阪神はんしんエリアには“子育こそだ王国おうこく”って印象いんしょうがあって。もちろんほかの地域ちいきふくめてだけど、子育こそだてに熱心ねっしんなおかあさんやおとうさんもみながら、マルのメッセージをみんなにつたえていきたいとおもっています」


 -これまでにも愛媛えひめのアンナや神戸こうべ桜子さくらこという人間にんげん友達ともだちがいたけど、今度こんどおとこなんだね。


 「そう、ケンタくん。クールなオスねこのマルによく人間にんげんのキャラクターがてきたらいいな-とまえからおもっていてね。じつ僕自身ぼくじしんどものころ、すごくふとっていたんだ。でもべつせたいともおもわなかったし、友達ともだちもいっぱいいたよ。まわりのはやしてるこえがそのくるしめるだけで、ふとっていること自体じたい全然恥ぜんぜんはずかしくなんかないんだから」


小学3年生のころの早見さん。「僕の人生の黄金期」だったそう



 -どうして人間にんげんたちの世界せかいでは「デブ」が悪口わるくちになっているんだろう?


 「デブにかぎらず、言葉ことばひときずつけることの本質ほんしつかんがえてみてほしい。大事だいじなのは、どういうおもいをめてその言葉ことば使つかっているのか。ただ言葉ことばるだけじゃ、その人間にんげん中身なかみわらないでしょ。自分じぶんあたまかんがえて、理屈りくつってデブを批判ひはんするならすればいいし、それにたいしてふとっているはきちんと反発はんぱつすればいい。いまなかおおっている、無批判むひはん社会通念しゃかいつうねんやぶりたいんだ」


 -オレからの「プレゼント」も、そういうことに関係かんけいがあるんだね。


 「具体的ぐたいてきにプレゼントするのは、マルの勇気ゆうき象徴しょうちょうする『モノ』なんだけど、本当ほんとうとどけたいのはマルのおもいや言葉ことばつぎの1すためのきっかけです。つまりは、マルが自分じぶんかたせるっていうことかな。マルはぼく理想りそうとする人間像にんげんぞう(ネコぞう?)なので、きみかたをカッコいいとおもって、チャレンジしてくれるひとやしたい」


 -オレの冒険物語ぼうけんものがたりんでくれたたちが、みんな一緒いっしょたびをして、成長せいちょうしていくんだね。


 「愛媛編えひめへんの1作目さくめ小学しょうがくねんはじめたいま高校こうこうねんになり、ぼくのほかの小説しょうせつ全部読ぜんぶよんでくれています。わかひとほん新聞しんぶんまなくなっているというけれど、そういう空気くうきどくされるより、未来みらい読者どくしゃ自分じぶんそだてていけばいい。兵庫編ひょうごへん絵本えほんって県内各地けんないかくち実際じっさいたびしてくれるひとあらわれたなら、この物語ものがたり読者どくしゃとともに成長せいちょうしているとえるんじゃないかな」


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