【連載】学校いま未来 第2部 先生が消えた日(4)人間関係
2020/02/28 09:53
神戸市立東須磨小学校は1880(明治13)年に創立され、今年で140周年を迎える。伝統があり、かつては「お屋敷街の学校」とも言われていた。
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しかし、ここ数年、職員室には異変が生じていた。
市教育委員会が年2回、学校ごとに行う定期訪問の記録。A4用紙1枚の報告書には、校長や教頭の経歴に加え、「人事構想」や学校の「全体状況」が記されている。
「校長は□□の扱いに苦慮」(2015年度)
「一部教員による管理職批判や相互批判が見られる」(16年度)
新人の男性教諭(25)=仮名=が着任した17年度には「学校をあげての共通行動が取りにくい」とある。この年度には、それまで学校を支えていたベテランが相当数、異動でいなくなった。
男性教諭が学校に行けなくなった19年9月、親族と市教委へ相談に訪れた。持参したメモには、同教諭が着任前から不安を抱いていたことが記されていた。
「赴任する際に、なかなか職員の関係が厳しい学校というのは聞いていた」
◆
「どうやって“裏口”で入ったんや」
17年春。東須磨小に着任した男性教諭が出身大学を告げて自己紹介すると、30代の男性教員Aにいきなりからかわれた。大学は、関西有数の私立大だった。
初めての教壇、初めての担任。男性教諭は、同じ3年生の担任で学年主任の40代女性教員Dを頼った。
Dの着任も17年度。姉のように慕う関係の中、互いの家族の話をするようになった。別の女性教員も交えて3人で飲みに行ったり、カラオケに行ったりする間柄にもなった。
ある日、男性教諭は職員室で信じられない会話を耳にする。Dに「内緒にして」と伝えた私的な話を、Dが大声で同僚にしゃべっていた。
男性教諭は先輩教員らの振る舞いに戸惑いを感じつつ、自分に言い聞かせた。
「初任地だしうまくやっていかないと」
先輩がつくっていた無料通信アプリLINE(ライン)のグループに入れてもらった。なじもうと懸命だった。
迎えた初めての夏休み。男性教諭は教室で、Aに養生テープで胸から太ももまでぐるぐる巻きにされ、教室にほったらかしにされた。2年間にわたって続くハラスメントの始まりだった。(取材班)
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