深ヨミ

電波天文学者 中井直正さん
あっと驚く大発見 どうしたら生まれる?

2021/04/01 00:00

【電波天文学者(関学大教授)】中井直正さん(なかい・なおまさ)=66=1954年富山県生まれ。80年関学大理学部卒、85年東大院修了。97年国立天文台教授、02年野辺山宇宙電波観測所長。18年から現職。寄付を募り、南極への電波望遠鏡の設置計画を進める。

中井直正さん=三田市、関西学院大



ブラックホール発見 想定外/自由と失敗、許す環境を



 今年のノーベル物理学賞は、地球がある銀河系の中心部にブラックホールが存在することを証明した、ラインハルト・ゲンツェル米カリフォルニア大バークリー校名誉教授ら3人に決まった。同氏の論文が発表されたのは1996年。実はこの約2年前、ほぼ同じ正確さで、別の銀河のブラックホールを世界で初めて見つけたのが、電波天文学者で関西学院大理工学部教授の中井直正さん(66)=三田市=だ。「決められた通りの観測からは、あっと驚く大発見は生まれない」と断言する中井さん。どんな観測環境がノーベル賞級の発見を生んだのだろうか。(高見雄樹)


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