正解ない課題の解決策探る/誰かを支える側に
東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から10年が過ぎた福島県では、今も3万人近い住民が県外へ避難したままだ。まだ居住できない区域があり、国の避難指示が解除された地域でも住民の帰郷が進んでいない。一方で福島に暮らす住民の力になろうと、県外から被災地に飛び込む人たちがいる。高校生の学習を支援する「ふくしま学びのネットワーク」を設立した灘高(神戸市東灘区)の元教師、前川直哉さん(44)も、その一人。「誰かを支える側になりたい」と考える高校生たちの気持ちに触れたからだという。地域再生の担い手としての力を養ってほしいと願い、そのための「新たな学び」に取り組む前川さん。ゆっくり話を聞きたくなった。(段 貴則)
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