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井戸から現れたお菊の霊が夜な夜な皿を数える「皿屋敷」は、日本で一、二を争うほどよく知られた怪談話だ。発祥の地には諸説あるというが、姫路・西播地域では何といっても、姫路に伝わる「播州皿屋敷」が最有力だろう。一方で、佐用町にも「我こそが元祖」としてこの伝説を語り継ぐ地域がある。お菊の子孫とされる家族が大事に供養する墓や、国指定史跡・利神(りかん)城跡にある「お菊井戸」。今回の佐用新聞は、地元に残る遺構や逸話とともに、この伝承を踏まえた町おこしプロジェクトを紹介する。(勝浦美香)
「播州皿屋敷」は、江戸中期に演じられた浄瑠璃の作品名とされる。お家のっとりを企てる家老の青山鉄山が、その陰謀を知ったお菊に家宝の皿を割った罪を着せて殺してしまうというあらすじ。実は、佐用町の口長谷(くちながたに)集落にもよく似た話が伝わっている。
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