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兵庫県たつの市北部にある城山城(きのやまじょう)は、古代の城跡と中世の城跡が同じ場所にある希少な遺構だ。前回は、赤松則祐(そくゆう)らによって築かれた中世の城跡を紹介した。今回は古代城山城の遺構を、引き続きたつの市教育委員会歴史文化財課専門員、義則(よしのり)敏彦さん(60)の案内で巡る。兵庫県唯一の古代山城がたつの市に存在した背景には、当時の緊迫した状況や周辺地域の特殊性が関係しているという。(記事・田中伸明、写真・大山伸一郎)
今から1360年近く前、日本は国防上の脅威にさらされた。朝鮮半島を舞台にした白村江(はくそんこう)の戦いで、日本と百済(くだら)の連合軍は、唐と新羅(しらぎ)の大軍に敗れて撤退した。次は日本に攻め込んでくる-。強い危機感から西日本を中心に各所に山城が築かれた。たつの市の古代城山城もその一つとされる。
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