【写真上】夜の公園でロードワークに励む=尼崎市内
■中毒性
日本のプロボクサーは原則37歳で、ライセンスが失効する。現役王者の野中悠樹(43)は実績などで延長が認められているが、あくまで特例だ。
野中と同じ渥美ジムに、今年12月で37歳になるボクサーがいる。美柑(みかん)英男。25歳でプロデビューした元西日本新人王。通算は9勝14敗2分けの負け越しだ。8回戦昇格後、立て続けに6連敗を喫した。「僕は『噛(か)ませ』として、呼ばれたんですよ」。「噛ませ」とは、若手の有望選手に実績を積ませるため、マッチメークされる相手をいう。
ランキングに入れないまま、気付けばライセンス失効が迫る。試合が終わるたび「もうええかな」と思い、ジムでスパーリングが始まれば「まだまだ」と前向きになる。
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