代償大きいが正義貫いた/不正根絶へ再建諦めない
西宮冷蔵社長の水谷洋一さん(68)は全身赤ずくめの服を着て現れ、がらんとした倉庫内でカメラの前に立った。長く伸ばした髪はすっかり白くなっている。2002年1月、自社の倉庫が取引先・雪印食品による不正の現場となったことを報道陣に告発した。その年、「内部告発」が新語・流行語に選ばれ、後に公益通報制度の新設にもつながった。あれから20年。経営が行き詰まるなど、代償も大きかった。今、内部告発者として歩む人生をどうとらえているのだろう。後悔はなかったのか。水谷さんの本音が聞きたいと思った。(段 貴則)
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