「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」-。1957年に「主婦の店ダイエー大阪」を開業した中内功氏は、価格決定権を握るメーカーと闘いながら、医薬品や化粧品、家電製品などの安売りに挑み、総合スーパーを展開していった。いわゆる「流通革命」である。ケネディ元米大統領が全米スーパーマーケット協会に寄せた「スーパーがアメリカの豊かな消費生活を支えている」とのメッセージに感動し「この道しかない」と思い定めたという。中内氏は、なぜ「流通革命」を実現できたのか。田村正紀神戸大名誉教授(82)に経営学の専門家として分析してもらった。(聞き手=村上早百合)
三宮に出店したころ、客が「牛肉がほしい」と言ったら、オーストラリアまで行って牛を調達して、精肉にしたら税金がかかるから、生きたまま沖縄に運んだ。そこで育てて精肉にして、ものすごく安く売った。
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