大型店の出店規制によって成長にブレーキがかかったダイエーだったが、1980年代後半からのバブル経済期、傍目(はため)には飛ぶ鳥を落とす勢いに見えた。プロ野球球団の取得とドーム球場の建設、リクルートや中堅スーパーの買収など巨額投資が相次ぐ。最盛期には「ダイエー王国」の売上高は3兆円を超え、グループ企業は160社とも400社以上ともいわれるほどに膨らんだ。流通業界の殻を破る、急激な拡大路線の背景を、経営学が専門の田村正紀神戸大学名誉教授(82)は、中内功氏が次の一手を模索していたとみる。(聞き手・村上早百合)
百貨店の三越を抜いて売上高日本一になった2年後に、従来のビジネスモデルが回らない状況に追い込まれた。中内さんは、次の手を打たなあかんと必死やったと思いますね。
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