生徒の視線、社会に向ける/格差の連鎖を断つ力に
「親ガチャ」という言葉に出合うたび、いよいよヤバいと焦りが募る。たまたま生まれた家の経済力や家庭環境といった、本人の努力では変えようのないことに人生が左右される。そうした意味で、主に若い人が使っているようだが、そんなことを言わせる社会の未来が明るいとは、どうにも思えないからだ。前後して、大阪府立西成高校(大阪市西成区、山田勝治校長)で「反貧困学習」という独自の試みが続いてきたことを知る。手探りで先駆的な実践を重ね、変わる生徒たちを見つめてきた肥下(ひげ)彰男先生(62)を訪ねた。(新開真理)
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