深ヨミ

大阪府立西成高校教諭 肥下彰男さん
「反貧困学習」で人は変わりますか?    

2022/09/25 12:00

肥下彰男さん(ひげ・あきお)1960年堺市生まれ。大阪大学在学中に途上国支援に関わり、卒業後は中央市場や共同作業所で働き、府立高校の数学教諭に。共著に「〈働く〉ときの完全装備」「地球市民の人権教育」など。

生徒の視線、社会に向ける/格差の連鎖を断つ力に


 「親ガチャ」という言葉に出合うたび、いよいよヤバいと焦りが募る。たまたま生まれた家の経済力や家庭環境といった、本人の努力では変えようのないことに人生が左右される。そうした意味で、主に若い人が使っているようだが、そんなことを言わせる社会の未来が明るいとは、どうにも思えないからだ。前後して、大阪府立西成高校(大阪市西成区、山田勝治校長)で「反貧困学習」という独自の試みが続いてきたことを知る。手探りで先駆的な実践を重ね、変わる生徒たちを見つめてきた肥下(ひげ)彰男先生(62)を訪ねた。(新開真理)


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