音源なし、楽譜散在/風土感じる作品、後世に
山田耕筰、早坂文雄、伊福部昭、黛(まゆずみ)敏郎…。日本のクラシック音楽黎明(れいめい)期の作曲家にこだわり、CDを制作する会社がある。千葉県我孫子市に拠点を置く「ミッテンヴァルト」で、この秋には兵庫県芦屋育ちの貴志康一が書いた未発表のバイオリン、ピアノ曲を収録した新作を発売した。欧州の名曲に比べると、彼らの作品がコンサートで上演される機会はわずか。そんな中で埋もれた邦人作品を発掘し、CDを作り続ける思いとは-。代表の稲原和雄さん(74)を訪ねた。(松本寿美子)
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