幻の都市計画通じ「満州」描く
養父市出身の作家山田風太郎は、その多彩な作品世界が大きな魅力だが、この方だって負けてはいない。昨年11月、長編小説「地図と拳」(集英社)が山田風太郎賞に選ばれた小川哲さん(36)。SF作品でデビューして以降、次々と話題作を発表してきた。前作に続いて直木賞(19日発表)候補となった「地図と拳」は日露戦争前夜にさかのぼり、満州の架空都市を舞台に虚実ない交ぜの物語が繰り広げられる。「どんな話か説明するの難しいですよね、すみません」。屈託なく笑う“時の人”に、執筆の背景などいろいろ聞いてみた。(末永陽子)
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