商店街で衛星監視?区役所にクラゲ? 神戸・垂水駅前めぐり

2018/10/01 05:30

気持ちよさそうに浮かぶクラゲを観賞する親子=垂水区役所

 「垂水マンスリー 南北彩々」。きょうからは垂水駅周辺&ベイサイドを特集する。まずは神戸市垂水区の玄関口・垂水センター街、垂水廉売市場から。ちょっと気になる。いや、なんかめっちゃ気になる光景やお店に足を向けた。3回に分け「垂水駅前ぐるり散歩」をお届けする。(末吉佳希、真鍋 愛、吉田みなみ) 関連ニュース 「東急ハンズ三宮店」30年の歴史に幕 コロナ禍の大みそか、各地の様子 親子3代、創業113年 野球カステラ老舗閉店へ 神戸で4人死亡、42人感染 新型コロナ


■理容室内で完全武装 仁王立ちのガンダム
 垂水センター街の一角にある理髪店「スター理容」(神戸市垂水区神田町)。店内には機動戦士ガンダム(約1・5メートル)が仁王立ちしている。右手にはビーム光線を放つライフル、左手には十字架入りの赤い盾の完全武装で、出動準備は整っている模様。垂水で戦いが起きようとしているのか。
 「もしや、伝説のパイロットが散髪を…」と無意味な期待を胸に中へ入る。店長の瀬戸雄介さん(45)に尋ねると「残念ながらパイロットは不在です。期待に添えず申し訳ない」との返答。聞けば2009年にガンダムファンのオーナーが子どもに関心を持ってもらおうと設置したそうだ。
 「子どもの反応は?」
 「背丈以上の存在に興味は示してくれます。でも正直、あれが何なのか理解している様子はないですね」
 確かにガンダムのテレビ放映開始は1979年。「大人向けとうたったほうが効果的かも」

■商店街に“衛星”監視事務所? 現地訪れてみると…
 神戸市垂水の商店街の至る所で見かける、商店や施設の案内地図。その中の一つに、「衛星監視事務所」の文字を見つけた。まさか、米国の航空宇宙局(NASA)のような施設があるのか。所在地の垂水区役所(垂水区日向1)を訪れた。
 同区役所に到着し、案内板を見つけた。総務部、保健福祉部…、部署名を目でたどり、お目当ての監視事務所を発見。「あれ?」。「衛星」ではなく、「衛生」と書いてある。
 ふと、小学校で使っていた漢字ドリルを思い出した。「衛星」と「衛生」。「間違えやすい漢字」と紹介されていたような-。
 念のため業務内容を聞いてみた。「飲食店やペットショップの営業許可などを出すところです。星に関する業務は行っていません」。公務員の鏡のような、淡々とした返答。落ちは見えていたが…。

■垂水区役所にクラゲの水槽
 垂水区役所(神戸市垂水区日向1)の1階にある水槽(水約200リットル)。約60匹のクラゲが気持ちよさそうにぷかぷかと浮かぶ。「なんで区役所にクラゲ?」
 聞けば、垂水や兵庫、須磨区のクラゲ好きが集まったボランティア団体「垂水水母クラブ」が、区役所の許可を得て、2011年ごろから飼育を始めたという。毎日の餌やりや月に1回の水槽掃除、海水の入れ替えなども自分たちで担っている。数年前、クラゲが卵からふ化した様子などを動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップしているという。
 現在飼育しているのはミズクラゲ。ちょうど産卵期で、翌年1月ごろに卵がふ化する予定だという。
 同クラブの女性(73)は「地味な作業も多いが、好きだから続けられる。区役所を訪れた方の癒やしになれば」と笑う。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ