寒風でさらにうま味増す「切り干し大根」作り 田畑の一角真っ白に

2021/11/29 05:30

冷たい風にさらされ、陽光を受けて白く輝くダイコン=たつの市御津町苅屋

 日に日に冷え込みが厳しくなる中、兵庫県たつの市御津町の田畑の一角を「切り干し大根」が白く染めている。冬の食卓に欠かせないダイコンの収穫期を迎え、栽培農家は季節の恵みの仕上げ作業にも追われている。 関連ニュース 寒風で甘さ、うまみ凝縮 切り干し大根作りピーク 加西 でかい!幽霊みたい…畑から相次ぎ「お化け大根」 「ゆで干し大根」寒風で甘み深く 稲美【動画】

 大正期に造営された御津町の干拓地「成山新田」(約72ヘクタール)は国指定のダイコンやニンジンの生産地。11月から翌年3月まで、ダイコンを出荷する際に大きさや形が規格外となったものを長さ約10センチの千切りにし、天候をにらみながらむしろの上に干す作業が続く。乾くまでの3日間、寒風にさらされて少しずつうま味を増していく。
 御津町園芸組合の濱本元喜副組合長(57)は「好天と冷え込みがダイコンをおいしくしてくれる。手がかじかんでかなわんけど、これも必要な苦労ですわ」と笑顔を浮かべた。
(大山伸一郎)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ