山陽盃酒造で新酒の仕込み本格化 蔵全焼から再起2季目「よりフレッシュにすっきりと」 宍粟

2022/10/09 05:30

蒸した酒米にこうじ菌を混ぜて発酵を促す壺阪雄一専務=山陽盃酒造

 地酒「播州一献(ばんしゅういっこん)」などを醸造する山陽盃(さんようはい)酒造(兵庫県宍粟市山崎町山崎)で、新酒の仕込み作業が本格化している。従業員たちは額に汗を浮かべながら、酒米にこうじ菌を混ぜる作業に励む。新酒は11月上旬に店頭に並ぶという。(村上晃宏) 関連ニュース 獺祭マグナム降臨!2.3リットルがアッという間に…~鉄爺のおいしんぼ#1 「日本酒巫女ナンバーワン総選挙」開催中! …ていうか「日本酒巫女」って何? ワインや日本酒を海底で熟成


 同社は江戸後期の1837年に創業。2018年11月、火災で築約150年の蔵が全焼したが、昨年4月に最新鋭設備を導入した新工場で再スタートした。今春には「播州一献 純米大吟醸 山田錦」が、フランスの日本酒品評会で最高賞のプラチナ賞に輝いた。
 作業は午前5時半から始まる。蒸した酒米「兵庫北錦」などを広げ、こうじ菌を丁寧に振りかけて手でかき混ぜる。その後は部屋を移し、発酵状況に応じて気温や湿度を細かく管理し、定期的に米とこうじ菌を混ぜて発酵を促す。多い日には100キロ以上を仕込むという。
 秋の深まりとともに、蔵には甘くふくよかな酒米の香りが充満していく。杜氏(とうじ)の壺阪雄一専務(42)は「新しい蔵が稼働して2季目。昨年から改良を加え、よりフレッシュですっきり飲める酒に仕上げたい」と力を込めた。

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