京王線乗客殺傷事件受け JR西が有事対応訓練
2021/11/30 23:25
車内の非常ボタンを押す参加者=30日午後0時18分、兵庫県太子町、網干総合車両所
10月に東京の京王線であった乗客刺傷事件などを受け、JR西日本は30日、列車内での無差別テロへの対応を学ぶ社員向け講習を、兵庫県太子町の網干総合車両所で開いた。約120人が参加し、非常ボタンの扱い方や乗客の誘導方法などを確認した。
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列車内での防犯対策は鉄道各社で大きな課題となっており、今回は駅員ら車内対応に不慣れな社員も含め、幅広い部署を対象に行った。
講習では近畿統括本部安全推進室の社員が「慌てない」「犯人を刺激しない」といった対応のポイントのほか、乗務員との通話機能を備えた非常ボタンや、非常用ドアコックの位置や操作方法を説明。乗客の誘導を念頭に、コックで開けたドアから線路に降りる手順も確かめた。
国広正治神戸支社長は「車内へのカメラ設置と合わせ、社員が有事に適切に対応できるよう今後も訓練を進めたい」と話した。
講習に先立ち、自動車と電車の衝突事故を想定した訓練もあり、警察や消防と連携して負傷者を救助する際の流れなども共有した。(山本 晃)