ＪＲ山陽本線と智頭急行智頭線が接続する上郡駅（兵庫県上郡町大持）で、刃物を持った不審者の対応訓練があった。ＪＲと智頭急行の駅員、県警相生署員、上郡消防署員計３０人が参加し、不審者情報の共有や警察、消防への通報手順を確認した。

　２０２１年に東京の京王線などであった刺傷事件を受け、昨年から実施している。ＪＲ上郡駅の駅員が無理やり改札を出ようとした不審な男に注意すると、激怒した男が智頭急行上郡駅方面に向かい、ホームにいた利用客を切りつけたという想定で行われた。

　訓練では、ＪＲ側から智頭急行に男の特徴などを連絡。智頭急行の駅員はほかの客を避難させ、相生署員が男を取り押さえた。駅員らは消防と協力し、けが人の搬送にも当たった。

　智頭急行運輸部長の稲田雅也さん（６１）は「２社が入っている駅は特殊な状況が発生しやすい。知識と現場でのギャップを知ることで、最善の行動が取れるようになる」と話した。（真鍋　愛）