2021年、これが読まれた! 7~9月の注目記事
2021/12/30 08:42
阿部一二三選手、詩選手らを連れてよく訪れたという神戸ハーバーランドで子育てを振り返る父浩二さん(左)と母愛さん=2019年8月、神戸市中央区東川崎町1
2021年も残りわずか。あなたにとって、どんな1年でしたか?
関連ニュース
2021年、これが読まれた! 10~12月の注目記事
2021年、これが読まれた! 4~6月の注目記事
2021年、これが読まれた! 1~3月の注目記事
神戸新聞ネクストでは、期間中に配信した記事から特に注目を集めたものをピックアップ。4回に分けて紹介します。(記事は配信当時のまま掲載)
【7-9月】
1年遅れで開幕した東京五輪では、日本選手団が史上最多のメダルを獲得。阿部兄妹ら兵庫県出身選手の活躍も記憶に残りました。
◇ ◇
■阿部兄妹の父・浩二さん「僕らは毎日、幸せをもらっている」金メダリストの家族物語(7月25日配信)
戦っているのは兄妹2人だけではなかった。25日の東京五輪柔道でともに金メダルに輝いた男子66キロ級の阿部一二三(23)と女子52キロ級の阿部詩(21)を、家族は力の限り支えた。父は子どもと一緒にトレーニングをして世界一への夢を語り、母は食事や精神面でサポート。強い絆で結ばれた「チーム阿部」の晴れ舞台だった。激戦を終えた詩は言った。「やっと2人で少し恩返しができた。感謝の気持ちしかない」
神戸市兵庫区の下町、和田岬に生まれ育った一二三と詩。父の浩二さん(51)はかつて国体にも出場した元競泳選手だが「体が小さい僕ら夫婦から生まれる子どもたちには、相手と同じ土俵で戦える体重別競技がいい」と柔道を勧めた。
一二三は6歳の時、地元の兵庫少年こだま会で稽古を始めた。「投げられて投げられて。泣きながら通っていた」と母の愛さん(49)は懐かしむ。あまりに泣きやまないので、長兄の勇一朗さん(25)が見守り役で入会したほどだった。
消防士の浩二さんは当時、一二三とともにトレーニングに汗を流した。よく訪れたのは近所の御崎公園。走って心肺能力を高め、重いボールを投げ合っては体幹を鍛えてきた。
やがて国際舞台で頭角を現した兄を追うように、詩も夙川高3年で世界選手権を制し「怪物になりたい」と大胆不敵に言い放った。だが、神戸の親元を離れて日体大に進学した時には、1人暮らしの寂しさに押しつぶされそうになった。
「だいぶメンタルをやられていた」(浩二さん)という娘が競技に専念できるよう、愛さんが上京して同居をスタート。温かいご飯を用意し、たわいもない話に耳を傾け、世界女王の不安と重圧を和らげた。
新型コロナウイルス禍に襲われた2020年は「総力戦」だった。浩二さんは定期的に上京。畳の上で組み合う稽古ができない息子や娘と一緒に200段以上の階段ダッシュに挑んだ。神戸に戻っても毎日10キロを走破。「自分もしんどいことをして、プレッシャーを共有したかった」と話す父に、一二三は「一番大きな存在」と信頼を寄せた。
自国五輪の看板選手に育った息子と娘に「僕らは毎日、幸せをもらっている。感謝しかない」と浩二さん。コロナ禍で無観客となった五輪は家族でさえ会場に入ることができず、両親と勇一朗さんは東京都内でテレビ観戦した。五輪の東京開催が決まった13年、「兄妹2人で出られたら最高やなあ」と家族で描いた未来図は、日本史上初となる男女のきょうだい同日金メダルという最上の形で現実となった。(藤村有希子)
東京五輪と言えば、小野市出身で陸上1500メートルで8位入賞を果たしたこの選手の記事も読まれました。
■「走る詩人」田中希実 記者もうなる言葉のセンス(8月7日配信)
<その他の注目記事>
■「弁当に髪の毛が入っていた」苦情の電話不審に思い… 詐欺被害防いだファミマ店長(7月28日配信)
→こちらも地域のコンビニのお手柄です。
■ショック受け「ありがとう」とぽつり、とぼとぼ店外へ コンビニ店長が詐欺と粘り強く説得(8月6日配信)
■レジャー化する密漁「自然のもの取って何が悪い?」 海水浴客がサザエやアワビ狙い(8月11日配信)
■<全国中学校体育大会>バスケ男子、異例の4校優勝 兵庫勢は47年ぶり(8月21日配信)
■神戸の人気スポットが“廃虚化” 3年前から休園、須磨海づり公園 桟橋はがれ落ち、電気系統は全壊…(9月25日配信)