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感謝状を受け取るセブン-イレブン西宮マリナパーク店の平井光也店長(左)と中筋裕輝オーナー=西宮署
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感謝状を受け取るセブン-イレブン西宮マリナパーク店の平井光也店長(左)と中筋裕輝オーナー=西宮署

 「詐欺ではない」と信じ切って電子マネーを購入しようとした高齢女性に粘り強く声を掛け、架空請求詐欺の被害を防いだとして、兵庫県警西宮署は、同県西宮市西宮浜2のコンビニ「セブン-イレブン西宮マリナパーク店」に署長感謝状を贈った。「気を付けて」の言葉だけでは被害に気付かない人をどう助けるか。店側が悩んだ末に採った方法は-。

 店長の平井光也さん(33)によると6月9日の朝、70代くらいの女性が来店し、レジの従業員に「仮想通貨のビットキャッシュを買いたい」と申し出た。平井さんは「詐欺がはやっているみたいなので、念のために警察に相談してみますね」と110番した。

 「女性は嫌そうにしていましたが…」。平井さんが110番をためらわなかったのにはわけがある。

 平井さんはその女性の顔を、はっきりと覚えていた。この1週間で、女性が電子マネーを買いに来るのはこれで3度目。これまでに3万円分の電子マネーを2回購入した女性だった。

 「ビットキャッシュは店舗のコピー機で購入用紙を出してもらうんですが、直接レジに来られておかしいなと思ったんです」と平井さん。詐欺を疑い、何度も女性に確認してきた。

 「詐欺が多発しているみたいですよ」「詐欺じゃないですか?」「大丈夫ですか?」

 そのたびに女性は「詐欺じゃありません」ときっぱり。

 「絶対詐欺だと思うけど、ご本人が違うと言う以上どうすればいいのだろう…」。平井さんは従業員らと一緒に悩み、もやもやした気持ちを抱えながら、2度にわたって計6万円の電子マネーをレジに通してきたのだった。

 しかし、3度目の来店時は違った。実はその前日、警察官が偶然、店に買い物に来た。「こんな女性がいまして。詐欺じゃないか心配なんです」と相談すると、警察官は「次来られたら、念のため110番してください」と応じてくれた。

 「何度も『詐欺じゃない』と否定され、3度目となれば尻込みしかねなかったけど、警察に相談しやすい状況があって助かった」と平井さんは振り返る。

 同署によると、女性には「あなたは会社の社外取締役に選ばれた。役員報酬は7億円だが、電子マネーを買わないとその権利が他の人に移る」などと書いたメールが届いていたという。

 9日、駆け付けた西宮署員から説明を受け、初めて詐欺と気付いた女性は、ショックを受けた様子で「ありがとうございました」とだけぽつり。とぼとぼと店を出て行ったという。

 7月28日、西宮署で感謝状を受け取った平井店長は「これからも地域の見守りに貢献していきたい」と表情を引き締めた。(大田将之)

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