「みなし陽性」神戸、姫路は導入 兵庫県と対応割れる 新型コロナ
2022/02/03 05:30
国立感染症研究所が分離した、新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(同研究所提供)
新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者となった同居家族らの検査を省略できる「みなし陽性」(疑似症)について、兵庫県と神戸、姫路市で対応が分かれている。両市は既に医療機関などに検査の省略を認めることを通知し、感染者数に加えている。一方、県はまだみなし陽性を認めておらず、感染拡大で検査が逼迫(ひっぱく)する中、新たに認める方向で県医師会と協議を進めている。
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県内でいち早くみなし陽性者の公表を始めた姫路市。厚生労働省の通知を受け、既に症状が出た感染者の同居家族や抗原検査キットで陽性が分かった人のうち、医師や保健所が「感染している」と判断した人らを1月27日から計上した。
同市保健所の毛利好孝所長は「急速な感染拡大で発熱外来を設ける医療機関には相談や検査の依頼が殺到している。検査キットの不足も踏まえ、負担軽減を図った」。市は検査で確定した患者と、診断によって判断したみなし陽性者が分かるように発表している。
神戸市でも1月27日、感染者の濃厚接触者になった同居家族に症状が出た場合、検査せずに医師が陽性と診断できることを医療機関に通知。ただ、国は感染者の内訳としてみなし陽性者数を明示するよう求めているが、集計はしていないという。
県は2日時点で、みなし陽性を認めていない。斎藤元彦知事は1月25日の会見で「発熱外来では検査の順番待ちをする状況だが、急を要するほど逼迫はしていない」とし、医療機関でPCR検査ができる体制整備を優先する考えを示していた。
ただ、今月2日の会見では「少し切り替えが必要になってきていることも考えられる。医師会と調整できればオペレーションを切り替えていく」などと発言。政令、中核市と対応が異なることについては「ずれているのはどうかと思う。県医師会と連携して方針を示したい」とした。(高田康夫、田中宏樹)
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