酷寒の氷ノ山、夜明け前に昇る天の川と樹氷の群れ「モンスター」共演

2022/02/14 18:17

夜明け前の空に、天の川と金星が輝く。氷ノ山山頂付近にモンスターが現れた=12日午前5時40分、養父市(長時間露光で撮影)

 厳寒の氷ノ山(兵庫県)に天の川が昇る-。2月前半の月のない夜明け前ならそんな光景に出合えると、写真家の藤原嘉騎さん(43)=同県宍粟市出身=に聞いたのは2年前のことだった。昨年は悪天候で断念。大雪となった今シーズンの2月12日未明、藤原さんと撮影に挑んだ。 関連ニュース 厳寒の美、氷のドレスをまとって回る水車 丸いはずの太陽が長方形に?! 兵庫・播磨灘で撮影成功「めったに見られない」 標高1450メートル、石槌山の山中に突然現れた猫 幸運にも冬の始まりに保護、いつしか旅館の看板猫に

 深夜2時の山頂付近は氷点下8度。厚着で寒さは感じないが、雪に触れる足先は毛糸の靴下を2枚重ねても痛い。周辺の杉林は日本海側から吹く水蒸気を含んだ風で氷と雪に覆われ、高さ10メートル以上の「モンスター」に一変。ここ数年で一番大きいという。
 午前5時すぎ、薄雲の向こうに淡い天の川と金星が姿を現した。酷寒の星夜をさまようモンスターの群れ。どこか遠い惑星に来たような錯覚に襲われ、夢中でシャッターを押した。
 藤原さんは「雲で美しい銀河が撮れなかった」と残念がったが、「海外のような光景が広がる兵庫の自然はすごい」と満足そうだった。(古根川淳也)

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