重大事件の記録廃棄、最高裁「保存の仕組み不十分」有識者委が初会合、在り方検証へ

2022/11/25 11:59

最高裁判所=東京都千代田区

 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件など、各地の家裁で重大少年事件の記録が廃棄されていた問題で、最高裁は25日、有識者委員会の初会合を開いた。史料的価値が高い記録について、事実上の永久保存に当たる「特別保存」とする内規が存在していたにもかかわらず、事件記録の廃棄が相次いでおり、保存の在り方を検証するのが狙い。 関連ニュース 少年事件記録廃棄問題で最高裁が謝罪 「運用適切でなかった」「裁判所全体の問題」責任認める 少年A事件の記録閲覧「希望は永久にかなわない」 遺族の土師さん、記録廃棄に「憤り以外の何物でもない」 少年事件の記録廃棄問題 江川紹子さんが指摘「期待を裏切る裁判所の感覚あぶり出された」

 有識者委のメンバーは、梶木寿弁護士(元広島高検検事長)、神田安積弁護士、高橋滋法政大教授。最高裁の堀田真哉事務総長はあいさつで「当時、特別保存の仕組みが十分ではなかったといわざるを得ない。国民の皆さまに申し訳なく、率直に反省しなければならない」と謝罪。「第三者の目で客観的、多角的に評価してほしい」と述べた。
 神戸連続児童殺傷事件の記録は、神戸家裁が2011年に廃棄したとみられ、最高裁は今月、当時の同家裁職員らに聞き取り調査を実施。調査結果を有識者委に報告するとみられる。
 会合の取材は冒頭のみに限られ、以降は非公開で行われた。(霍見真一郎)

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