「淡い希望は、永久にかなわなくなりました」。1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の全事件記録が廃棄されていた問題で、事件で次男の土師淳君=当時(11)=を殺害された父の守さん(66)が28日、胸の内を語った。少年事件の記録の多くは非公開。いつかは閲覧できないかといちるの望みはあったが、その道は閉ざされた。神戸家裁に調査を要望した土師さんは「なぜ、子どもの命が奪われたのか。記録を見れば問いに少しでも近づけたかもしれない」と語った。
事件当時14歳で逮捕された「少年A」の事件記録の廃棄が分かり、土師さんと代理人弁護士が同日、神戸家裁を訪れ、要望書と陳述書を提出した。
同家裁は11年前に廃棄されたと公表したが、経緯や理由は明らかにしていない。同行した河瀬真弁護士によると、家裁の事務局長が書面を受け取り、「最高裁に任せるだけでなく、神戸家裁としてもきちんと対応したい」と答えた。ただ、対応が何を指すのかは判然としないという。
会見に臨んだ土師さんは事件記録の廃棄は「私たち被害者遺族にとっては、憤り以外の何物でもない」と述べた。事件後、少年Aに関する記録は25年間見られなかった。ただ将来、法改正があれば少年事件記録でも閲覧できるという淡い思いがあり、「可能性はゼロではないと思っていた」。
しかし、記録が全て捨てられていたと分かり、「驚がくだった」と振り返る。神戸での発覚の後、全国各地で重大少年事件の記録廃棄が判明した。いずれも後々の検証に重要となる貴重な記録だ。神戸家裁に調査を求めた心境を問われると、「当事者が実際に声を出さないと大きな力にならない」と説明した。
土師さんは「管理のずさんさは、一国民の立場で見てもおかしい」とし、最後に「誰かの責任を問うのではない。重要なのは今後は十分な管理のもとに保存すること。そのために調査と検証が必要だと思います」と訴えた。
(篠原拓真、小谷千穂)
【神戸連続児童殺傷事件】1997年2~5月、神戸市須磨区の住宅街で小学生5人が次々と襲われ、2人が殺害された事件。中学3年で当時14歳だった「少年A」が殺人容疑などで逮捕された。刑罰の対象年齢を引き下げる少年法改正のきっかけとなった一方、犯罪被害者の支援にも目が向けられ、2001年施行の改正法では、被害者に一部記録の閲覧・コピーを認め、08年施行の改正法は重大事件の被害者や遺族に少年審判の傍聴を認めた。兵庫県では心の教育を見直そうと、98年から中学2年での社会体験学習「トライやる・ウィーク」が始まった。
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