“恋の光”暗闇に瞬いて 丹波各地に名残のホタル

2021/06/27 05:30

暗い森のそばの川辺、蛍光で描き出された愛の軌跡=丹波篠山市市野々

 ほ、ほ、ホタル。なぜ光る? ふうわり飛んで。瞬いて。白い光跡残し、ついと消える-。 関連ニュース きらめく「海の宝石」に歓声 赤穂でウミホタル観察会 夜の川辺にホタル乱舞 兵庫・西播各地の清流 ゲンジボタルが星と競演 雄雌が優雅にランデブー 猪名川町

 ピークは過ぎたものの、兵庫県の丹波各地でまだ、ホタルの群舞が夜の水辺を彩っている。同県丹波篠山市市野々の川沿いも、森に静かなイルミネーションがともったよう。シカやキツネも見とれているか? 水面に淡い光を映し、はかなげに舞う虫もいる。
 ゆっくりと呼吸するように明滅し、軽やかに飛翔して。ゆらり宙に描くのは、恋のサイン。相手求めて、短い命の灯をともす。鳴かぬホタルが身を焦がす。
 コロナ禍の人の世の憂いを知らずか。地球は回る。季節は巡る。時を忘れて見ほれるような、ホタルのランデブーも間もなく見納め。見上げれば空には北斗七星。天に昇って星に化けたか? ほ、ほ、ホウタル来い。(堀井正純)

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