兵庫県の西播磨は全国有数の山城の密集地だ。その多くは中世に戦の要衝として築かれ、山深い地にありながら歴史の表舞台にしばしば登場した。近年は研究が進み、高低差を生かした軍事機能への評価が高まっている。さらに佐用町の利神城(りかんじょう)跡は「天空の城」として脚光を浴び、新たな地域資源としても注目される。歴史や観光、文学、登山…。さまざまな角度から山城の魅力を探る。(伊藤大介)
佐用町の利神山(りかんざん)(標高373メートル)にそびえる国史跡の山城、利神城跡。江戸初期に築かれたとされる石垣の崩落が進み、修復作業が行われた。工事中の2020年12月23日、佐用町教育委員会の許可を得て、山に登った。
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