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兵庫県の播磨北西部の宍粟市は但馬と因幡(鳥取県)、美作(岡山県北部)に国境を接し、武器の材料の鉄を産出する軍事的に重要な地域だった。戦国期には赤松氏の一族である宇野氏が山崎町周辺を治めたほか、一宮町北部の田路(とうじ)氏や波賀町の中村氏など地域ごとに土豪が割拠しており、領地を守るために築いた数多くの山城が戦国の雰囲気を今に伝えている。(古根川淳也)
山崎町の宇野氏は拠点の長水城(同町五十波)のほか、篠ノ丸城(同町門前)や聖山(ひじりやま)城(同町須賀沢)、姫路市安富町三森の三森山城などの出城を築いたと伝わる。1580年に宍粟を攻めた羽柴秀吉軍はまず見晴らしがいい聖山城を落とし、長水城攻略の本陣を置いた。
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